コラム
エンジニア副業の完全ガイド:案件の探し方から単価相場・年収・始め方・注意点まで
現役エンジニアが副業を始めることは、収入アップやスキル向上の絶好の機会です。本記事では、副業案件の探し方、スキル別の単価相場、副業で得られる収入目安、副業開始の手順、そして税務・法務面の注意点までを網羅して解説します
働き方改革の影響もあり副業を解禁する企業が増え、エンジニアの専門スキルを活かした副業案件は高単価になりやすく効率的に収入を得られるため、多くのエンジニアが副業に関心を寄せています。
例えば週2日の副業で月60万円を稼げるような高額案件も存在し、平均的な現役エンジニアでも副業で年収300万円以上を得ているとのデータがあります。
この記事を読めば、エンジニア副業の実態と始め方が明確になり、副業への具体的な一歩を踏み出す自信が得られるでしょう。
目次
| エンジニア副業の案件の探し方
エンジニアが副業案件を探す方法には様々なものがあります。主な探し方としては次の5つが挙げられます。
| SNSで発信・営業する
X(旧Twitter)やInstagramなどSNS上で技術情報を発信し、人材募集を行っている企業アカウントとつながる方法です。企業担当者はSNSを通じてスキルや人柄を知りたいと考えているため、積極的に情報発信することで副業案件獲得につながります。ビジネス特化型のSNSでは、プロフィール経由でスカウトが来ることもあります。ただし、不特定多数に公開する以上、発信内容には注意しましょう。
| 知人・同僚からの紹介
友人や職場の同僚、取引先などから案件を紹介してもらう方法です。自分のスキルや人柄を理解している知人経由ならミスマッチが少なく安心感があります。実績や信頼がすでにある関係性なら成約もしやすいでしょう。ただし、身内ゆえに契約や報酬が曖昧になりがちなので、条件は書面で取り決めることが大切です。
| クラウドソーシングサイトを利用
インターネット上のクラウドソーシングサービスに登録し、企業や個人が募集しているIT案件に提案・応募する方法です。初心者でも始めやすくリモート案件も豊富なため、まずは小さな案件から実績を積むのに適しています。実績を積めば信頼が高まり、より高単価の案件を受注しやすくなるでしょう。一方で手数料が約15%差し引かれる(報酬1万円の場合受取額約8,500円)ため、報酬が満額手に入らない点に留意が必要です。また誰でも依頼可能な分、クライアントのITリテラシーが低いケースもあるので、契約内容や要件は事前にしっかり確認しましょう。
| 副業マッチングサービス・エージェントを活用
副業者と企業を専門に仲介するサービスを利用する方法です。ITエンジニア案件に特化したフリーランスエージェントの中には週1~3日から参画できる副業案件を扱う所もあり、契約手続きや単価交渉も代行してくれるため安心です。クラウドソーシングに比べて紹介案件の単価が高い傾向があり、即戦力レベルで高収入を狙いたい方に向いています。ただし仲介手数料が発生する点と、一定のスキルや経験が求められる点は把握しておきましょう。
| スキルシェアサービスを利用
自身のプログラミングスキルや知識を商品として出品し、依頼が来るのを待つ形式のサービスもあります。例えばコードレビューや小ツール作成、技術相談など、自分から営業せず「出品」しておけるのが特徴です。時間のない人や営業が苦手な人でも、条件に合わない依頼は断りつつマイペースで副業できる利点があります。スキルをパッケージ化して収益化する一つの手段と言えるでしょう。
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| スキル別に見る副業単価相場
副業エンジニアの案件単価は、仕事内容や求められるスキルレベルによって大きく異なります。ここではエンジニアが副業で受注しやすい仕事の種類と、おおよその単価相場を紹介します(※時期や個人の経験により変動するため目安とお考えください。
| 簡易なツール開発(Excelマクロ作成など)
5千円~5万円程度。比較的シンプルなスクリプトやマクロ作成の案件は副業やWワーク向きです。小規模とはいえ継続的に受注できれば塵も積もれば山となります。
| Webページの制作・修正
2万円~30万円程度。HTML/CSSコーディングやLP作成などWebサイト制作案件は、副業エンジニアに人気で案件数も豊富です。初心者OKの低単価案件から高レベルな案件まで様々ですが、対応時間の融通が利くものが多く、土日や夜間に作業しやすいのが特長です。
| Webサービス・システム開発
20万円~80万円程度。Webアプリや業務システムの開発案件は難易度が上がりますが、その分単価も高めに設定されます。即戦力クラスのスキルが求められ、内容によっては2~3年以上の実務経験を条件とする案件もあります。短期間の単発開発プロジェクトは高単価になりがちで、経験豊富なエンジニアなら狙い目です。
| スマホアプリ開発
10万円~100万円程度。iOS/Android向けアプリの開発案件も、副業可能な範囲で多数存在します。難易度は高めですが、技術力の高い人には在宅・週末のみでこなせる高額案件が見つかることもあります。実例として、「週2日稼働で月60~70万円」の案件も報告されており、効率よく稼ぎたいエンジニアに人気です。
| プログラミング講師・メンター
時給1,000~3,000円程度。プログラミングスクールやオンライン学習サービスで講師を務める副業もあります。人に教えるには専門分野での十分な経験が必要ですが、本業で培った知識を活かせる上に短時間でも比較的高時給を得られるのが魅力です。週末だけ講師をする、といった形なら本業への負担も抑えやすいでしょう。
| 技術記事のライティング
1文字あたり1~3円程度が目安。エンジニアの知識を活かしたテックブログ記事執筆の案件も、副業として人気です。専門性の高い技術テーマの記事であれば単価が上がり「1文字2~3円以上」も期待できます。自分のペースで執筆できる反面、安定した収入には直結しにくい点には注意しましょう。
以上のように、エンジニア副業の単価相場は仕事内容によって千差万別です。高単価を狙うなら高度な専門スキルや実務経験が求められますし、経験が浅いうちは単価が低めでも実績を積むことが重要です。ご自身のスキルと目標収入に見合った案件を選びましょう。
| エンジニア副業で得られる収入・年収の目安
「副業でどのくらい稼げるのか?」は気になるポイントです。実態として、副業で稼ぐエンジニアの収入は人によって大きく異なりますが、参考となるデータをいくつか紹介します。

まず、現役エンジニア100名への調査によればエンジニア副業の平均年収は約325万円(男性345万円、女性265万円)という結果が出ています。副業で年収300万円超というのは非常に高額で、スキルのあるエンジニアなら副業でも十分稼げることを示しています。実際、本業に加えて月10~20万円ほどの副収入を得ているケースは珍しくなく、これだけで年間120~240万円の収入増となります。
さらに、高スキル人材であれば副業とはいえ専業フリーランス並みの収入を得ることも可能です。例えば週2~3日稼働OKの副業案件でも月単価60~70万円の例があり、1年続ければ年収にして720万円程度になります。ただし、これほどの高額案件は要求スキルも高く、週2日案件でも実際には週3~4日相当の作業量になる場合もあります。短期間で効率よく成果を出せる実力があれば、本業の余暇でもこれだけの収入を得ることが可能ということです。
一方で、駆け出しエンジニアや未経験から副業を始める場合、最初はほとんど収入にならないこともあります。例えばクラウドソーシングで小さなWebページ修正(1件2万円程度)を週1件ペースでこなしても、月収は約8万円・年収にして約96万円ほどです。案件が途切れず取れ続ければよいですが、単発案件が多いため常に仕事を確保するのも簡単ではありません。
以上をまとめると、副業エンジニアの年収は数十万円~数百万円以上と幅広いです。平均的なスキルを持つ現役エンジニアなら副業で年収数百万円規模を狙うことも十分可能ですが、最初から無理をすると本業に差し障る恐れもあります。まずは月数万円~十数万円の副収入を目標に始め、軌道に乗れば高単価案件に挑戦する、というように段階的に収入アップを図ると良いでしょう。副業収入が本業の収入を上回るようになれば、将来的にフリーランスとして独立する道も開けます。
| エンジニア副業の始め方:現役エンジニアが副業を始める手順
副業の概要がつかめたら、次はいよいよ実際に始める手順です。現役エンジニアが無理なく副業をスタートするために、以下のステップで準備を進めましょう。
| 会社の就業規則・契約を確認する
副業を始める前に、まず勤め先企業の副業規定を必ず確認します。近年は副業解禁の企業も増えていますが、就業規則で副業禁止とされている場合は残念ながら副業は諦めざるを得ません。本業の会社に無断で副業を行えば契約違反となり、発覚時に懲戒処分を受ける可能性があります。副業OKの会社でも事前届出が必要なケースが多いので、必ず規則に従って手続きを行いましょう。
| 副業の目的・目標を明確にする
次に「なぜ副業をするのか」「どの程度稼ぎたいのか」をはっきりさせます。収入アップが主目的なのか、スキル習得や人脈拡大が狙いなのかによって選ぶ案件も変わります。また週何時間くらい副業に充てられるか、自分のキャパシティを自己分析しましょう。本業優先で無理のない範囲から始めることが大前提です。たとえば「平日夜に2時間まで」「土日のみ稼働」など、自分ルールを決めておくと副業と本業のバランスが取りやすくなります。
| 活かせるスキルの棚卸しと準備
現在の自分のスキルセットを書き出し、副業で提供できそうなサービスを検討します。得意なプログラミング言語や開発経験、あるいは執筆力やマネジメント経験など、市場ニーズと照らして武器になるスキルを見極めましょう。その上で、ポートフォリオや実績資料を用意します。GitHub上のプロジェクトや技術ブログ記事などがあれば副業のPRに役立ちます。スキル不足を感じる部分は、Udemyや書籍で学習したり簡単なアプリを作って練習するなど、副業開始前にできる準備を進めておきます。
| 案件探しと初案件への応募
準備が整ったら具体的に案件を探します。前述の「案件の探し方」で触れたように、クラウドソーシングサイトに登録して探す、知人に声をかけてみる、SNSで募集情報を探すなど複数の方法を並行すると良いでしょう。初心者の方はまず小規模な案件から挑戦するのがおすすめです。実績0から高単価案件を狙っても採用は難しいため、実務未経験可の簡単な案件やテスト案件で実績を作りましょう。提案文を書く際は本業での経験やスキルをアピールし、「限られた時間でも責任を持って対応します」と副業であることを踏まえた姿勢を示すと信頼感につながります。
| 契約・業務開始と税務対応
提案が通り副業案件を受注できたら、きちんと契約手続きを交わして業務を開始します。クラウドソーシング経由ならサイト上で契約締結できますが、直接契約の場合は業務範囲・納期・報酬などを書面やメールで明確に合意しておくことが重要です。契約時には守秘義務の確認も怠らないようにしましょう。また、副業収入の記録をしっかりつけておくことも大切です。年間20万円超の副収入には確定申告が必要になるため、経費レシートや報酬の入出金記録を整理し、いつでも申告できるよう準備しておきます。副業の規模が大きくなってきたら、開業届を提出して個人事業主になり青色申告特別控除を受けることも検討すると良いでしょう(節税メリットがあります)。
| 副業を行う際の注意点(税務・法務など)
副業を始めるにあたっては、いくつか押さえておくべき注意ポイントがあります。特に本業との両立や法律面のトラブルを避けるため、以下の点に気を付けましょう。
| 会社の副業規定を遵守する
前述の通り、所属企業の就業規則で副業が禁止されていないか必ず確認してください。副業NGにもかかわらず内緒で始めると、発覚時に懲戒処分の対象となり得ます。法律上は公務員以外副業禁止の規定はありませんが、会社との契約違反となれば昇進や評価にも悪影響です。副業を許可している会社でも事前申請を義務付ける場合が多いので、会社ルールは厳守しましょう。
| 契約・守秘義務と著作権に注意
副業では基本的に個人として契約を結ぶため、法律トラブルが起きた際は自分個人に責任が及びます。そのため、業務上知り得た機密情報の取り扱いや納品物の知的財産権については細心の注意が必要です。例えば本業の会社で開発したソースコードを副業に無断転用するのは厳禁ですし、逆に副業で得たソフトウェアを本業で使う場合も権利関係を明確にしておく必要があります。また、公開資料や画像を利用する際は著作権を侵害しない範囲で行いましょう。万一トラブル発生時には全て自己責任となるため、契約書で業務範囲や権利帰属を定め、必要に応じてNDA(秘密保持契約)を締結するなど、法務面の対策を講じてください。
| 時間管理と健康維持を徹底する
副業をする以上、当然ながら労働時間は増えプライベートの時間は減ります。無理をし過ぎると睡眠不足やストレスで本業に支障が出ては本末転倒です。スケジュール管理をしっかり行い、本業の勤務時間外で無理なくこなせる案件だけを引き受けましょう。特に副業に不慣れな最初のうちは想定以上に時間を要することも多いため、締切には余裕を持って設定することが大切です。「気付いたら休息や家族との時間がゼロ」ということのないよう、健康管理にも留意してください。初めは土日限定の案件や長めの納期の案件から始め、徐々にペースを掴むと良いでしょう。
| 税金・確定申告を忘れない
副業で得た収入には所定の税金がかかる場合があります。一般的に、本業の給与とは別に年間20万円超の副収入(給与ではなく事業所得や雑所得)がある場合、自分で確定申告を行い所得税を納める必要があります。20万円以下であれば雑所得扱いとなり申告は不要ですが、超えた場合は翌年2~3月の確定申告期間内に忘れず申告しましょう。申告を怠ると延滞税や加算税といったペナルティが科される可能性があります。なお、副業の形態によって扱いが異なる点にも注意が必要です。クラウドソーシングや業務委託契約で得た収入は上記の雑所得に当たりますが、もし副業でアルバイトをして給与収入を得ている場合は金額に関わらず確定申告が必要になります(給与を2ヶ所から受け取る場合、年末調整だけでは精算できないため)。いずれにせよ副業を始めたら、収入と経費をきちんと記録し、必要に応じて確定申告の準備を進めましょう。
以上の点を踏まえ、トラブルなく安全に副業を継続できるよう心掛けてください。副業は自己責任の活動ですから、法令順守とセルフマネジメントが何より重要です。
| まとめ
エンジニアの副業は、適切に行えば金銭面でもスキル面でも大きなリターンをもたらします。本記事で解説したように、案件の探し方から収入相場、始め方や注意点まで事前にしっかり把握しておけば、副業を成功させる土台は整います。まずは自分の働き方やスキルに合った小さな一歩から始め、徐々に経験と実績を積んでいきましょう。副業を通じて収入源が増えれば将来への安心感が高まり、新しい技術や人脈に触れることでエンジニアとしての市場価値も向上します。本業の収入を超える副業収入が得られるようになれば、独立してフリーランスになる道も現実味を帯びてきます。副業によりキャリアの選択肢が広がり、人生の可能性が大きく拡がるでしょう。ぜひ今日から行動を起こし、エンジニア副業という新たなチャレンジに踏み出してみてください。あなたのスキルと情熱が、副業を通じてさらに輝くことを期待しています。