コラム
未経験からITコンサルタントを目指すには?転職戦略を徹底解説
ITコンサルタントは未経験からでも目指せる職種です。近年、多くの企業がデジタル戦略を求めており、ITコンサルタントの需要は急増しています。IT業界では人材不足が深刻で、2030年にはIT人材が約79万人も不足する見込みです。そのため「ポテンシャル採用」として業界未経験者を育成する動きが広がっており、実際に「ITコンサルタント 未経験」で検索すると6万件以上の求人が見つかる状況です。必要なのは市場のニーズを理解し、自身の強みを伸ばしながら不足するスキルを補うことです。以下では、ITコンサルタントになるジョブチェンジする上で、異業種・エンジニア出身者それぞれの強み、そして未経験から転職を成功させる具体的な方法について詳しく解説します。ぜひ参考にして、あなたのキャリアチェンジに役立ててください。
目次
| 未経験からITコンサルタントへ転職できる理由

| 未経験者需要の拡大
ITコンサルタントの求人市場は、ここ数年で大きく拡大しています。特にDX推進ブームにより企業のIT導入ニーズが高まっており、それに伴いITコンサルタントの求人数も増加傾向です。経済産業省の予測では冒頭で述べたとおり2030年までにIT人材が大幅に不足する見込みで、コンサル業界でも人材確保が喫緊の課題となっています。この人材不足を補うため、多くの企業が異業種や未経験者を育成前提で採用するポテンシャル採用に乗り出しています。
実際に、ITコンサルファームの中には「未経験歓迎」の求人を打ち出し、20代~30代前半の若手で意欲のある人材を積極的に受け入れるケースが増えています。若いうちであればITスキルは入社後に教育すればよいと考え、コミュニケーション能力や成長意欲といった素養を重視する企業が多いのです。現に2025年時点で「ITコンサルタント 未経験歓迎」の求人が数万件規模に上ることからも、市場のニーズが非常に大きいことがわかります。
| 未経験OK求人の特徴
未経験からの採用に積極的な企業にはいくつか特徴があります。まず、大手よりも中堅・ベンチャー系のコンサルファームにその傾向が強いです。大規模ファームではここ数年、新卒採用で若手コンサルタントを十分に確保できている背景もあり、中途で業界未経験者を採用するハードルが上がっています。「未経験のメンバークラスは新卒で賄える」「中途では即戦力を優先」という方針から、大手への未経験転職は難易度が高いのが現実です。
一方、成長中のコンサルティング企業やベンチャーファームでは、人材確保のため学歴や職歴よりもビジネス経験やマインドを重視して未経験者を採用するケースもあります。こうした企業では研修制度が充実していたり、入社後に実践的なコンサルスキルを身につけられる体制を整えていたりします。
たとえば某新興中堅ファームの求人要件を読むと「社会人経験2年以上」「論理的なコミュニケーション能力と思考力」「基本的なPCスキル」といった必須要件のみで、コンサル実務の経験は不問としています。入社後にコンサルタントとしてのスキルを身につければよいという考え方で、IT未経験者にも門戸を開いています。
このように、企業選び次第では未経験からでも十分チャンスがあるのです。ただし応募先によっては「プログラミング経験必須」など技術的バックグラウンドを求める場合もあるため、求人要件を見極めて戦略的に受ける企業を選ぶことが重要です。
| 異業種からITコンサルタントへ転職する強みと成功のコツ
異業種(IT業界以外)からITコンサルタントを目指す方は、「自分はITの知識がないから不利では?」と不安に思うかもしれません。しかし異業種出身者ならではの強みも数多くあり、それを適切にアピールすれば十分にチャンスがあります。
| ビジネス経験・対人スキルをコンサルに活かす
異業種で培った経験は、角度を変えればITコンサルタントとしての価値に直結します。例えば営業職の経験がある方は、日々顧客と向き合いニーズを引き出してきたはずです。そのスキルは「クライアントの真の課題を聞き出し、適切な提案ができる能力」として高く評価されます。また事務職や企画職でのデータ分析・業務効率化の実績は、コンサルタント業務で役立つ分析力・改善提案力としてアピール可能です。他にも、小売業で培った顧客サービス精神や、教育業界でのプレゼンテーション能力など、一見ITと関係ない経験でも捉え方次第で強みに変わります。「自分のこのスキルは、なぜITコンサルタントとして価値があるのか」を論理的に説明することが重要です。そうすることで採用担当者に「この人は未経験でも活躍できそうだ」と納得感を与えられます。
| IT知識のギャップを埋める努力を示す
異業種出身者の場合、やはりITに関する基礎知識が不足しがちです。しかし逆に言えば、そこは事前準備と学習で十分カバー可能な部分でもあります。実際、異業種からの転職者は業界知識や専門スキルの不足を補うため、事前準備や学習に注力している人が多いです。例えばITパスポートや基本情報技術者といった基礎資格の学習、業界関連のニュースを追う習慣、プログラミングの独学などに取り組みましょう。「未経験だけれどここまで勉強しました」と示すことで、意欲と最低限のリテラシーをアピールできます。
また、最近では社会人向けのオンラインIT講座やビジネスフレームワークを学べる書籍も豊富です。異業種出身であるからこそ、人一倍の努力で知識をキャッチアップしていることを示すことが大切です。その姿勢自体が高い評価につながります。
| 異業種出身者の成功事例に学ぶ
実際に異業種からITコンサルタントへ転職した人の事例を調べてみるのも有効です。例えば元銀行員がFinTech領域の知見を活かしてITコンサルに転身したケースや、元メーカー営業が生産管理の知識を強みに製造業向けITコンサルになったケースなどがあります。共通するのは、前職の業界知識やスキルをコンサル先企業の課題解決に結びつけている点です。転職エージェントのサイトや企業の採用ブログなどで「未経験転職ストーリー」を読むと、自分の状況に近い成功パターンが見つかるでしょう。それを参考に、自分ならではの強みとアピール戦略を練ってください。
| ITエンジニア(SE)からITコンサルタントへ転職する強みとコツ
システムエンジニア(SE)やプログラマーなどITエンジニアとしての経験を持つ方にとって、ITコンサルタントはキャリアアップの有力な選択肢です。事実、昨今は「SEからITコンサルに転職する先輩が増えている」という声も多く、現場で培った技術力を活かしてより上流のコンサルティング業務に携わりたいというニーズが高まっています。ここでは、エンジニア出身者が持つ強みと意識すべきポイントを解説します。
| エンジニア出身者の強み理解
まず何といってもIT基盤の知識や開発プロジェクト経験があること自体が強力なアドバンテージです。ITコンサルタントはクライアントに最適なシステム構成や技術選定を提案する立場上、技術への理解が深いほど説得力が増します。エンジニアであれば、ネットワークやデータベース、クラウド、プログラミングといった知識を既に備えており、これは未経験から入る人にはない即戦力です。また、開発現場の課題(例:要件定義の難しさ、実装フェーズでの問題)を肌で知っているため、提案が現実的で実行可能かどうか判断できる点も評価されます。SIerやソフトウェアベンダー出身者を積極的に歓迎する求人が多いのも、こうした実務知見を持つ人材の需要が高いためです
| ビジネス視点へのシフト
エンジニアからコンサルタントへ転身する際に意識したいのは、視点を技術志向からビジネス志向へ広げることです。SE時代は「仕様通りシステムを作る」ことがミッションだったかもしれません。しかしコンサルタントには「なぜそのシステムを作るのか」「それによりクライアントのビジネスにどんな効果があるのか」を常に考える姿勢が求められます。先述の通り、ITコンサルタントはシステム導入の目的や経営へのインパクトに注力する職種です。したがって、技術的な選択肢を提示する際にも経営課題の解決というゴールと結びつけて説明できる能力が必要です。「自分は技術屋だから」と技術面に固執するだけでなく、クライアントの業界動向や経営課題についても積極的に学び、発言できるようになりましょう。エンジニア出身者にありがちな弱点は、このビジネス目線の不足と言われます。しかし裏を返せば、技術もわかってビジネスも語れる人材は希少であり非常に市場価値が高いのです。自分の技術バックグラウンドに加えて経営戦略や業務知識を習得すれば、鬼に金棒となるでしょう。
| 経験値の棚卸と構造化
エンジニアからコンサルタントへの転職では、自分の経験を過小評価しないことが大切です。たとえ職種は違っても、プロジェクトで培った問題解決力やチームで働いた経験、ユーザー目線で考える姿勢など、多くの汎用スキルがあります。
例えば「開発プロジェクトにおいて、納期遅延のリスクを発見し調整を行った経験」は、コンサルタントとしてのリスク管理能力の証となります。また「業務アプリケーションのUI改善提案を行い採用された経験」は、ユーザビリティや業務効率に目配りできる点でコンサルタント資質のアピールになるでしょう。自分の技術的強みを述べる際も、その強みでクライアントに何が提供できるかをセットで語るように意識してください。加えて、ケース面接や論理クイズの対策も頭に入れておくと安心です。大手ファームを受ける場合、エンジニア出身者でもケーススタディによる課題解決力をチェックされることがあります。論理思考のトレーニングやビジネス課題の分析練習にも時間を割きましょう。最後に、エージェントなどプロの助言を活用するのも賢明です。後述しますが、コンサル業界に詳しい転職エージェントはエンジニア出身者ならではの強みを引き出し、効果的な自己PR方法を指南してくれます。自分ひとりで悩まず、専門家の力も借りて万全の準備を整えましょう。
| ITコンサルタントへの転職活動の進め方
未経験からITコンサルタントへの転職を成功させるには、闇雲に応募するのではなく戦略的な転職活動を行うことが大切です。ここでは、志望動機の伝え方、選考対策、エージェントの活用など具体的な進め方を解説します。
| 志望動機の準備:軸を据える
ITコンサルタント志望の動機を聞かれたときに明確に答えられるよう、事前に自分のキャリアビジョンを整理しましょう。ポイントは、「なぜITコンサルタントになりたいのか」「なぜ今までのキャリアから方向転換するのか」を一貫したストーリーにすることです。自己分析を通じて「クライアントの課題解決に貢献したい」「ITとビジネスの橋渡し役になりたい」といった芯となるモチベーションを言語化してください。その上で、自分の強みや経験が志望先企業でどう活かせるかを具体的に絡めて伝えると説得力が増します。志望動機作成の3ステップ(自己分析→企業研究→文章化)を丁寧に行い、ストーリーを組み立てることが大切です。
特に企業研究では、応募先のプレスリリースや事業内容を調べ、その会社の課題やビジョンに共感している点を見つけておきましょう。「なぜ数あるコンサルファームの中でその社を選ぶのか」を説明できるようにしておくと、面接官への響き方が違います。
| 書類選考:課題と成果を論理的に記載
未経験からの転職では、履歴書や職務経歴書の書き方にも工夫が必要です。職務経歴書には単にこれまでの仕事内容を羅列するのではなく、アピールしたい強みを軸にエピソードを整理しましょう。例えば「コミュニケーション力」が強みなら、「営業職で年間◯社の新規開拓に成功し顧客ニーズを引き出した経験」を具体的に書きます。また「課題解決力」を強調するなら、「◯◯プロジェクトで◯◯という問題に直面したが、分析と関係部署調整により解決に導いた」など成果につながった話を記載します。コンサルタントに直結するスキルをアピールする項目に絞って書類を構成すると良いです。
加えて、志望動機書(エントリーシート)が課される場合も、上記で練ったストーリーを簡潔かつ熱意が伝わるようにまとめます。応募先企業ごとに内容を調整し、「御社ならではの〇〇に魅力を感じた」「自身の〇〇経験を活かして△△の領域で貢献したい」といった具体性を出しましょう。
| 面接:ケース対策
ITコンサルの中途採用では、これまでの経験をどう活かすかを重視して問われます。想定問答としては「今までの仕事で最も苦労したプロジェクトは?そこから何を学んだか」「当社のコンサルタントとしてあなたのどの経験が役立ちますか?」などが挙げられます。STAR法(Situation, Task, Action, Result)を意識し、エピソードを整理して話せるよう準備しましょう。具体的な数字や成果を交えて語ると説得力が増します。
またケース面接(簡易的なコンサル課題のプレゼン)やフェルミ推定を課される場合もあります。未経験者にはハードルが高く感じるかもしれませんが、ロジックの組み立て方やフレームワーク思考を問われていると割り切って練習してみてください。市販のケース面接対策本や過去問題集で練習するうちにコツが掴めます。論理的な思考プロセスを重視し、自分なりの結論を筋道立てて説明できればOKです。もう一つ大事なのはITコンサルタントという仕事への理解を示すことです。
「ITコンサルは激務と聞くが大丈夫か?」といった質問を受けることもありますが、その際は事前にこの仕事の大変さとやりがいの両面を理解した上で志望している旨を伝えると良いでしょう。「常に学び続ける必要があることは承知しており、自分も日々キャッチアップする覚悟があります」など前向きな姿勢を示すことが大切です。
| 専門転職エージェントの活用
ITコンサルタント志望であれば、業界に強い転職エージェントを利用することを強くおすすめします。自分一人での転職活動は時間的・精神的な負担が大きくなりがちですが、エージェントを活用すれば効率的かつ効果的に進められます。コンサル専門のエージェントであれば、非公開求人の紹介だけでなく履歴書・職務経歴書の添削や模擬面接など選考対策も手厚く行ってくれます。
実際、コンサル業界への内定実績が豊富なエージェントほど企業ごとの選考ポイントやノウハウが蓄積されており、書類通過率・内定率が格段に高まるというデータもあります。未経験からの挑戦の場合、どのファームが受かりやすいか、今どんな人材が求められているか等の情報を教えてもらえるのも貴重です。「転職のプロ」を味方につけて準備万端で選考に臨むことで、チャンスを確実にものにできるでしょう。
エージェントを利用する場合は、最初のキャリア面談で自分の熱意と人柄をしっかり伝え、味方になってもらうことがポイントです。なお、一社だけでなく2~3社併用して比較検討するのも一般的です。
| ネットワーキングやフォローアップ
加えて、現役コンサルタントとの人脈作りも有効です。LinkedInなどを活用してITコンサルタントと繋がり、業界の最新動向を教えてもらったりアドバイスを受けたりすると視野が広がります。勉強会やセミナーに参加して直接話を聞く機会を持つのも良いでしょう。さらに、面接後のお礼メールや問い合わせへの迅速な対応など、応募後のフォローアップも社会人としての誠実さを示す上で大切です。小さなことですが、こうした積み重ねが最終的な合否に影響することもあります。
| まとめ:未経験からITコンサルタントへの挑戦に向けて
ITコンサルタントは未経験からでも十分に目指せる職種です。DX推進による需要増と人材不足を背景に、ポテンシャル重視で未経験者を採用する企業が増えています。20代~30代前半で高い意欲を示せればチャンスは多く、採用側も成長前提で受け入れてくれる土壌があります。
仕事内容は多岐にわたり、やりがいも大きいです。ITの力で企業の課題を解決に導くという使命は責任重大ですが、プロジェクトを完遂しクライアントのビジネスに変革を起こせた時の達成感は格別です。高年収や幅広いキャリアパスなど魅力も多く、努力次第で大きく成長できるフィールドと言えます。未経験転職を成功させる鍵は「自身の強みの棚卸し」と「徹底した準備」です。異業種出身であれば対人スキルや業務知識など強みを洗い出し、それがコンサル業務でどう活きるか論理的に伝えましょう。エンジニア出身であれば技術力をアピールしつつビジネス視点を養う意識を持ちましょう。足りない知識は事前学習や資格取得で補い、志望動機や面接対応も入念に準備してください。
不安があれば周囲の力を借りることも大切です。転職エージェントの活用や現役コンサルタントとの情報交換など、自分一人で抱え込まずプロの支援やコミュニティを頼りましょう。適切な助言によって効率よく内定を勝ち取ることができます。
長い目で見ても、ITコンサルタント経験はあなたの武器になるでしょう。
未経験から新しい専門領域に飛び込むことは勇気が要ります。しかしITコンサルタントは努力を通じて専門性と市場価値を高められる、挑戦しがいのある仕事です。
最初は不安もあるかと思いますが、この記事で紹介したように綿密な準備と強い意志があれば道は必ず拓けます。「未経験だから…」と尻込みする必要はありません。ぜひ一歩踏み出し、ITコンサルタントへの挑戦を前向きに進めてみてください。あなたの勇気ある決断が、きっと明るいキャリアの未来へと繋がっていくことでしょう。頑張ってください!
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