コラム
ITコンサルタントの案件動向レポート(2025年6月版)
DXやAIの波により、企業のITコンサルタントへのニーズはかつてなく高まっています。そのため、現役またはこれからフリーランスとして活動するコンサルタントにとって、IT領域の案件トレンドや単価、働き方を把握することは欠かせません。
また、DX推進の流れに伴い、企業側でもフリーランス含むITコンサルタントの活用が加速しています。
本レポートでは、フリーランスのITコンサルタントが案件を探す際に気になる案件の種類、単価、勤務条件などについて、現状募集中のIT案件を対象に調査・分析を行いました。
今回の調査対象は、ITコンサル案件のみに限定し、業界には制限を設けず、100件以上の案件がHP上で一般公開されているITコンサル向け案件プラットフォーム4社が2025年6月~7月の間で募集中の案件、全195件を対象としております。
※過去案件、募集終了案件は除外
目次
| 募集中案件の種類
まずは、フリーコンサルが求められている案件の種類を見てみましょう。
各プラットフォームにより、区分方法が異なるため、本レポートにおいては、IT系を以下のように6つに分類し、それぞれの案件の割合を算出しました。
また、その他の内訳としては少数ながらDXやインフラなどのIT戦略案件が含まれています。
結果、半数以上が、「業務支援・改革」、「PM補佐/PMO」の案件募集となっておりました。

図1:募集中案件の種類
| 案件の種類ごとの平均単価
次に平均単価を見てみましょう。
少数ながら「その他」に分類されているIT戦略系の案件が一番の高単価となっており、次点で「PM・PMO」、「ERP導入」が高単価でした。3位以下は「業務改革・業務支援」、「ITツール導入」、「システム設計・開発」という結果でした。

図2:種類毎の平均単価
また、種類毎の最高単価案件は下記となっています。

図3:種類毎の最高単価案件
| IT案件における業務プロセス毎の案件数割合
次に、募集中案件の業務プロセスの割合を見ていきましょう。
業務プロセスとは先程の案件種類をさらにブレイクダウンし、システム導入などのIT案件においてのフェーズを分類し、割合を調査しました。
「PM補佐/PMO」の案件が一番多く、21%を占めていました。
次点で、「IT戦略・DX戦略策定/構想策定」などの上流の案件が18%を占めていました。
システム導入に関しては「設計・開発・導入」が多く、17%を占めています。

図4:業務プロセスにおける案件数割合
| 業務プロセス別平均単価
次に業務プロセス別の平均単価を見ていきましょう
前回のレポートではIT系の案件の単価中央値は120万円でした。今回の調査でも結果が大きく変わることはなく、一部を除き120万円前後が平均的な単価だと言えます。
なかでも「PM」は平均単価が一番高く、127万円/月でした。次点で「IT戦略・DX戦略策定/構想策定」が125万円/月と上流の案件は高単価にあることがわかります。
【参考:フリーランスコンサルティング市場募集案件傾向レポート(2025年4月版)】

図5:業務プロセスにおける平均単価
また、業務プロセスにおける最高単価案件は下記のような案件がありました。

図6:業務プロセスにおける最高単価案件
| 募集案件に含まれるキーワード(特定のソリューション、特定技術等)
ここでは募集中案件に含まれるキーワード(特定のソリューション、特定技術等)を調査しました。
どのソフトウェアやシステム、アプリケーションのキーワードを含む案件が多いか見ていきましょう。
195件の案件中一番多かったキーワードは「SAP」で30件でした。
「SAP」の案件ではPMから保守・運用まで様々なフェーズの募集がありました。
次点でAWSのキーワードが多く14件でした。
こちらも構想策定から保守・運用まで幅広いフェーズでの募集がありました。
AIのキーワードを含む案件は10件であり、それ以外のキーワードはすべて6件以下となりました。

図6:募集中案件に含まれるキーワード一覧
| 案件数が多い業界はどこ?ITコンサル支援先業界ランキング
次に、どの業界がITコンサルタントを必要としているかを見ていきましょう。
ここでは募集情報の中に記載のあったエンドクライアントの業界・業種で案件を分類しています。
製造業~官公庁まで、幅広い業界・業種にて案件募集ありました。
募集の多い業界としては、「製造業」が特に多く、製造業のみで業界全体の約3割を占めており、コンサルタントの需要が高い業界となっています。
次点で、「医薬品製造業」、「金融業」、「小売業」が8%となっており、「エネルギー業」は7%でした。
それ以外の業界は5%以下という結果となりました。

図7:募集要項に情報が公開されている支援先業界割合
| 単価帯別にみるITコンサル案件数:どの単価帯が多い?
続いて単価を10万円刻みで分類した際の案件数を見ていきましょう。
各案件を単価別に並べると、80~160万/月の案件が全体の90%を占め、ボリュームゾーンの単価感となっていることがわかります。
また、最も多いのが120~130万/月の案件という結果となりました。
実際、才コネクトで募集している案件の傾向でも近しい単価水準となっております。

図8, 募集中IT案件の単価水準
| 都内案件が最も多い?ITコンサル案件の勤務地事情
ITコンサル案件では都内の案件から地方の案件まで、幅広い募集がありました。
その中でもやはり、「23都内」、「首都圏」の案件が多く、6割以上を占めていました。
「東海エリア」、「関西圏(大阪)」は5%という結果でした。
また、上記以外の国内エリア、海外エリアはその他に含んでおり、少数ながら募集がありました。

図9, フルリモートを除く勤務が必要79%の勤務地
| ハイブリッドが主流?コンサル案件の勤務条件
次に出社条件について見ていきましょう。
「ハイブリッド」の案件が65%を占めています。
「フルリモート」案件は21%となっており、「フル出社」の案件は14%と一番低い結果となっています。

図10, 出社条件割合(出社、リモート、ハイブリッド)
いかがだったでしょうか?
以上がITコンサルタント向け案件紹介プラットフォームでの最新募集状況でした。
才コネクトではITコンサル案件から戦略コンサル案件、業務支援など幅広い案件を紹介しています。
フリーコンサル案件を探されている方、フリーコンサルを目指している方もぜひこの機会に才コネクトに登録してみてください。