コラム
フリーランスエンジニア案件の最新動向から案件獲得のポイントまで徹底解説
近年、フリーランスエンジニアという働き方が注目を集めており、独立を検討するエンジニアも増えています。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進やIT人材不足を背景に、フリーランスエンジニアに対する需要は非常に高まっています。実際、案件数は年々増加傾向にあり、報酬水準も高めで推移しています。
本記事では、現在のフリーランスエンジニア案件市場の傾向から、案件の種類や探し方、適切な案件選びのポイント、さらに案件獲得の準備や安定的に働き続ける工夫、長期的なキャリア設計までを専門家監修風に客観的に解説します。フリーランスとして活躍したいと考えるエンジニアの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
❙ リモート案件は増えてる?フリーランスエンジニア市場の最新傾向

まず、フリーランスエンジニアを取り巻く市場環境について押さえておきましょう。
年々案件数は右肩上がりで増加しており、企業側でもフリーランス人材の活用が一般化しつつあります。ある調査では、企業担当者の約54.8%が前年よりフリーランスエンジニアへの発注を増やしたと回答しており、DX加速に伴う即戦力ニーズの高まりが背景にあるとされています。
案件内容は、最新技術を取り入れた開発プロジェクトからレガシーシステムのリニューアルまで幅広く展開されています。フリーランスエンジニアの平均月額報酬も約75万円と高止まりしており、こうした高単価傾向はDX推進による高度な技術需要や経験豊富な人材への安定したニーズが要因とみられます。
さらに、働き方の面でも変化がみられます。リモートワークが定着し、現在ではフルリモート対応の案件も珍しくありません。2020年以降、業務系の案件でもリモート可の割合が大幅に増加しており、エンジニア側も場所にとらわれず参画できる環境が整ってきました。こうした柔軟な働き方の広がりも市場の活性化に寄与していると言えるでしょう。
❙ フリーランス案件にはどんな種類がある?それぞれの特徴
フリーランスエンジニアの案件には、技術分野や契約形態によって様々な種類があります。代表的な案件の種類として、以下のような分類が挙げられます。
❙ Web系開発案件
WebサービスやWebアプリケーションの開発案件です。自社提供のWebサービス開発やECサイト構築などBtoC向けプロダクトが多く、ユーザーの反応を見ながら素早く改善を重ねるスピード感が特徴です。フロントエンドからサーバサイドまで幅広い技術スタックが求められ、最新のクラウドサービスやJavaScriptフレームワークへのキャッチアップも重要になります。Web系は比較的リモートワークもしやすいため、フルリモート案件も豊富に存在します。
❙ モバイルアプリ開発案件
スマートフォン向けのネイティブアプリ開発案件です。iOS(Swift)やAndroid(Kotlin)といったモバイルアプリ開発スキルが求められ、金融やゲーム、SNSなど幅広い業種のアプリ案件があります。スマホアプリ市場の拡大に伴い需要が高く、平均月額単価も70~80万円程度と比較的高めに推移しています。モバイルアプリ開発は場所に依存せず進めやすいため、在宅開発を前提とした案件も少なくありません。ただし、アプリごとのUI/UX設計やOS独自のガイドラインなど専門性が問われるため、自身のスキルが案件要件に合致しているか事前に見極めることが重要です。
❙ 業務系システム開発案件
企業内の業務システムや基幹システムの開発案件です。例えば人事・会計など社内業務を効率化するシステムの開発が該当します。業務系案件は大企業や官公庁向けのケースが多く、JavaやC#など安定した技術スタックが用いられる傾向です。開発期間も長期に及ぶプロジェクトが主流で、安定して稼働しやすい反面、最新技術の導入スピードはWeb系に比べ緩やかと言えます。従来はクライアント先に常駐して開発するのが一般的でしたが、近年はこの分野でもリモートワークが拡大してきました。業務ドメインに関する知識が重視される点も特徴です。
❙ コンサル型・上流工程案件
技術コンサルタントや上流工程に携わる案件です。システムのアーキテクチャ設計支援、新規事業立ち上げ時の技術顧問、開発プロセス改善提案など、開発そのものよりも提案・設計寄りの役割を担います。高度な知見を持つフリーランス人材へのニーズは高まっており、企業の新規プロジェクト立ち上げや社内エンジニア育成に関する技術相談案件も増えています。コンサル型の案件は週2~3日程度のスポット参画で高単価が設定されることも多く、経験と専門性がダイレクトに報酬に反映されやすい領域です。ただし、コミュニケーション力や業務理解力など総合的なスキルが求められるため、自身の経験値を見極めて臨むことが大切です。
❙ エンジニア案件はどこで見つかる?エージェント利用と直契約の違い
希望に合った案件を見つけるためには、案件の探し方を理解しておくことが重要です。フリーランスエンジニアが案件を探す主なルートとして、「エージェントを利用する」「マッチングサービスや求人サイトを活用する」「クライアントと直接契約する(直案件)」の3つが挙げられます。それぞれの特徴とメリット・注意点を見てみましょう。
調査によれば、案件獲得経路として最も多いのは「過去または現在の取引先からの紹介」で32.7%、次いで「知人の人脈」27.9%、「エージェントサービスの利用」13.4%という結果が出ています。人脈や実績が収入に直結する面はありますが、独立したての段階ではエージェントやマッチングサービスの活用が有効なスタートとなるでしょう。
❙ エージェント経由で探す
フリーランスエージェントは、ITエンジニア向けの案件を仲介して紹介してくれるサービスです。登録すると専任の担当者が希望条件に合った案件を提案してくれるため、営業が苦手な人でも効率的に案件を探せます。契約手続きや単価交渉もエージェントが代行してくれるので安心です。特に高単価や非公開の優良案件を保有するエージェントもあり、自分では見つけにくい好条件の仕事に出会える可能性があります。一方で、エージェント経由ではマージンが含まれるため、直契約よりエンジニアに提示される報酬額が若干低くなる場合もあります。
❙ マッチングサービス・案件サイトを活用する
フリーランス向けのマッチングプラットフォームを利用して、自分で案件を探す方法です。これらのサイトでは多数の求人・案件情報が公開されており、スキルや単価、リモート可否などで検索して応募できます。エージェントを介さず直接クライアントと契約する形態のサービスも多く、幅広い案件を自分の裁量で比較検討できる点がメリットです。中間マージンが発生しない分、クライアントと交渉次第では報酬を高めに設定できる可能性もあります。注意点として、契約手続きや条件交渉、税務処理まで自身で対応する必要があり、契約トラブル等も自己責任となります。さらに、人気案件には多数の応募が集まるため、職務経歴書や提案文で自身をアピールし他候補者と差別化を図る工夫が求められます。
才コネクトではAI・DX、ERP、PMO案件など多数の案件を掲載しております。
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❙ 直契約(直接案件)を開拓する
知人の紹介や過去の取引先との縁を活かして、直接契約で案件を獲得する方法です。実績を重ねていくと、以前に一緒に仕事をしたクライアントから継続的に発注を受けたり、知人経由で新たなプロジェクトを紹介されたりするケースが増えてきます。直契約の最大のメリットは、仲介手数料が発生しない分、クライアントの支払額すべてが自分の報酬になることです。また契約条件を柔軟に調整できる点も魅力です。反面、信頼関係にもとづく契約となるため、納期順守や成果物の品質管理には一層の注意が必要です。新規に直案件を開拓するにはそれ相応の営業力や人脈も求められます。
❙ 案件選びで何を確認すべき?単価以外に見るべきポイント

実際に応募する案件を選定する際には、いくつか確認すべき重要ポイントがあります。条件や要件を見落として参画後にミスマッチが起きないよう、以下の点をチェックしましょう。
❙ 単価(報酬額)
案件ごとに設定された月額単価や時間単価を確認します。自分のスキル・経験に見合った適正な金額かを判断しましょう。市場相場より極端に安い場合は何らかの理由が考えられるため注意が必要です。逆に高単価の場合は求められる成果責任も大きい傾向があります。
❙ リモート可否
フルリモート対応か、一部出社が必要かを必ず確認しましょう。フルリモート可能な案件であれば居住地に縛られず参加できますが、オフィス出社が求められる場合は勤務地や通勤時間も考慮に入れる必要があります。「リモート可」と記載されていても、実際には月数回の出社日が設定されているケースもあるため注意が必要です。
❙ 稼働日数・時間
週何日稼働か、1日あたりの作業時間はどの程度かを確認します。週5日フルタイム稼働なのか、週3~4日の時短案件なのかで働き方は大きく異なります。他のプロジェクトと並行可能か、プライベートの時間と両立できるかも見極めましょう。稼働日数が少ない案件はその分報酬総額も抑えめになりますが、スキルアップや副業の時間を確保できるメリットもあります。
❙ スキル要件
求められるプログラミング言語やフレームワーク、業務知識などの要件を確認します。自分の得意分野にマッチしているか、即戦力として貢献できそうか判断しましょう。すべての要件を満たしていなくても応募自体は可能ですが、不足スキルがある場合は独学や事前準備でキャッチアップが必要です。
❙ 短期高単価など、よくある働き方パターンのメリット・注意点
フリーランスエンジニアの案件には、働き方にいくつか典型的なパターンがあります。自分の希望するワークスタイルに合った案件を選ぶ参考として、それぞれのパターンのメリットと注意点を押さえておきましょう。
❙ 週3~4日稼働の案件
週あたりの稼働日数を抑えたパートタイム型の契約です。メリットは空いた日を自己研鑽や他の案件に充てられるため、スキルアップと収入拡大の両立が図りやすいことです。例えば週3日案件を2つ掛け持ちするなど柔軟な働き方も可能になります。注意点として、複数案件を並行する場合はスケジュール管理など自己管理がより重要となります。他案件との契約上の競合がないか確認し、無理のない範囲で慎重に対応しましょう。収入面では週5案件に比べ総額が減るため、生活水準とのバランスを考慮する必要があります。
❙ フルリモート案件
作業場所を選ばず、自宅などからリモート参加できる案件です。メリットは居住地に関係なく全国の案件に携われる点と、通勤時間ゼロで効率よく働ける点です。注意点は、コミュニケーションがオンライン中心になるため、積極的な情報共有や報告を怠ると信頼を損なうリスクがあることです。チャットやビデオ会議で円滑に意思疎通を図る工夫が欠かせません。自己管理も重要で、働きすぎやモチベーション低下を防ぐため規則正しい勤務リズムを保つことが求められます。なお、「フルリモート可」とあっても重要会議のみ出社などハイブリッド型の場合もあるため、事前に条件を確認しましょう。
❙ 案件獲得の準備はできてる?ポートフォリオ・スキルシートを整えるコツ

希望の案件に出会った際、確実に獲得につなげるための準備も欠かせません。フリーランスエンジニアとして信頼され選ばれるために、以下の点を事前に整えておきましょう。
❙ スキルシートや職務経歴書の整備
自分のスキルセットや経験を網羅的かつ分かりやすくまとめたスキルシートは、案件に応募する際の重要なアピール材料です。プロジェクトごとの担当業務や実績、習得技術などを整理し、読み手があなたの強みを把握しやすいよう工夫しましょう。
❙ ポートフォリオの用意
特にWeb系やアプリ系の案件では、自ら手掛けた成果物を示せるポートフォリオが強力な武器になります。公開可能な範囲で、自分が関与したシステムやアプリの画面、GitHubのコード、URLなどをまとめておきましょう。実績を具体的に示すことでクライアントからの信頼を得やすくなります。
❙ 面談・面接対策
案件に応募後はクライアントとの面談が行われます。過去のプロジェクトで自身が果たした役割や成果を、具体的な数字を交えて説明できるよう準備しましょう。技術力だけでなくクライアントの事業理解に基づき「どのように貢献できるか」を伝える姿勢が重要です。ビジネスマナーを守り、信頼できるパートナーと感じてもらえるよう振る舞うことが案件獲得の近道です。
❙ どうすれば仕事を途切れさせない?安定継続のための工夫
フリーランスエンジニアとして長期にわたり安定した収入を得るには、単発の案件をこなすだけでなく将来を見据えた工夫が必要です。
❙ 契約の継続・長期化
成果を出せば「次もお願いしたい」と継続依頼につながり、長期契約となって収入も安定するでしょう。契約期間満了が近づいたら、継続の意向をそれとなく確認し、新たな提案を行うなど積極的に働きかけることも大切です。
❙ 複数案件の並行稼働
リスク分散のために、余力があれば複数の案件を並行して受注することも検討しましょう。どちらか一方が終了しても収入が途絶えないメリットがあります。ただし、スケジュール管理や優先度調整は自己責任となるため、無理のない範囲で慎重に行う必要があります。
❙ 副業や収入源の多角化
エンジニアリング以外の収入源を持つことも安定につながります。例えば技術記事の執筆や非常勤の技術顧問、オンライン講師として収入を得たり、自分でサービスを開発して収益化する道もあります。ただ、本業の契約上、副業に制限がないか事前に確認し、利益相反がない範囲で行うようにしましょう。
❙ フリーランスエンジニアはどうキャリア設計すればいい?長く活躍するための秘訣

最後に、フリーランスエンジニアとして息の長いキャリアを築くためのキャリア設計について考えてみます。フリーランスは目先の案件対応に追われがちですが、数年先を見据えて自分の市場価値を高める戦略を持つことが重要です。
特に意識したいのは、将来的に上流工程やコンサルティングの役割に広げていくことです。プログラマーとしての実装スキルだけでなく、要件定義や設計、プロジェクトマネジメントなど上流工程の経験を積んでおけば、シニアになってからも活躍の幅が広がります。逆に上流ポジションの経験がないままだと、年齢を重ねた際に若手でもこなせる下流工程の案件しか受注できず、単価が伸び悩む恐れがあります。そうした事態を避けるためにも、比較的若いうちから意識的に上流工程に挑戦し、PMやリーダーといったポジションを経験しておくとよいでしょう。
また、特定の業界ドメインに精通しITコンサルタント的な立場で価値提供できるようになるのも一つの方向性です。例えば金融業界向けシステムに強い、医療分野の業務知識がある、といった専門性があれば、単なるエンジニアリング作業だけでなく上流での提案やコンサル案件を獲得しやすくなります。コンサル型の仕事は比較的高報酬であることが多く、週数日の稼働でも十分な収入を得られるケースもあります。エンジニアとして培った技術力に加え、業務知識や課題解決力を磨くことで、歳を重ねても第一線で活躍できる「希少人材」として重宝されるでしょう。
加えて、IT業界は技術トレンドの変化が早いため、常に最新情報にアンテナを張りスキルをアップデートし続ける姿勢も求められます。自身の専門分野を定期的に見直し、将来の目標に沿った学習を続けましょう。
フリーランスエンジニアとしてのキャリア構築は、戦略次第で大きなやりがいと高収入を得るチャンスがあります。本記事を参考に将来像を描きつつ、準備と行動を重ねていきましょう。
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