コラム

経営コンサルタントとは?仕事内容・年収・必要スキルを解説

2025年4月9日

経営コンサルタントは、企業が直面する経営上の課題を解決に導くプロフェッショナルです。
その活躍領域は経営戦略から組織改革、業務改善、マーケティング戦略まで多岐にわたり、専門知識を活かして企業の成長を支援します。高い専門性と華やかな高収入のイメージから、経営コンサルタントという職種に憧れを抱くビジネスパーソンも少なくありません。
一方で、その具体的な仕事内容や必要なスキルがイメージしにくく、「自分には縁のない世界」と感じてしまう人もいるでしょう。

近年ではDX(デジタルトランスフォーメーション)やグローバル競争の激化など、ビジネス環境の変化に伴い外部の専門家による客観的な助言のニーズが高まっています。実際、異業種出身者がコンサルタントに転身して活躍するケースも増えており、成果を出せば報酬も大きくなります。正社員の経営コンサルタントの平均年収は700万円台ともいわれ、経験豊富なフリーランスでは年収1,000万円を超えることも珍しくありません。こうした高い報酬水準や社会的影響力の大きさも、経営コンサルタントが注目される理由の一つです。

本記事では、経営コンサルタントとはどんな仕事なのか、その定義や役割から基本的な業務内容、求められるスキル・資格、気になる年収やキャリアパス、さらに独立や副業としての可能性まで詳しく解説します。経営コンサルタントという職業の実像とご自身のキャリア形成の参考にしてみてください。

経営コンサルタントの定義と役割

経営コンサルタントの役割は、企業の抱える経営上の問題を明確にし、解決策を提示することでクライアントの業績向上や目標達成を支援することです。クライアント企業の経営者や管理職と緊密に協力し、現状を調査・診断して課題を洗い出し、解決策となるプランを提案します。単に提言するだけでなく、必要に応じてその計画の実行段階を支援したり、成果が出るまでフォローアップを行ったりすることもあります。社外の第三者として客観的な視点最新の業界知見をもたらし、企業内部では気付きにくい問題点を指摘して変革を促す役割が期待されます。

経営コンサルタントの種類と活躍領域

経営コンサルタントの種類と専門分野は多岐にわたります。
担当するテーマによって、以下のようなタイプに分けられます。

企業の経営戦略立案や新規事業開発、M&A戦略など、トップマネジメントに関わる戦略領域を担います。

業務プロセスの改善やシステム導入支援、DX推進など、業務効率化やIT活用を中心に企業改革をサポートします。

組織設計や人事戦略、人材育成制度の構築など、組織・人材面から企業のパフォーマンス向上に寄与します。

市場調査やマーケティング戦略立案、ブランド戦略や販売プロセスの最適化など、顧客獲得と売上拡大に直結する領域を担当します。

また、活躍するフィールド(対象とする企業や業界)も様々です。大企業向けのコンサルティングでは、金融、製造、流通、官公庁など幅広い業界のプロジェクトが存在し、各業界に精通したコンサルタントがチームで臨みます。一方で、中小企業やスタートアップ企業に対しては、独立系の経営コンサルタントが個別にアドバイスを行ったり、実践的な支援を提供したりするケースも多く見られます。

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経営コンサルタントの仕事内容

経営コンサルタントの主な業務内容

経営コンサルタントの日々の業務はプロジェクトの内容によって異なりますが、共通して含まれる主な業務内容は次のとおりです。

クライアント企業の財務データや業務プロセスを分析し、市場や競合の調査も行って、課題の根本原因を探ります。

分析結果を踏まえ、解決すべき問題を明確化するとともに、最適な解決策や戦略の方向性を検討します。

経営陣に提案を行うためのプレゼンテーション資料や報告書を作成し、論理的かつ分かりやすく解決策をまとめます。

クライアントの経営層や担当チームに対して提案内容を説明し、ディスカッションを通じて理解と合意を得ます。

提案が採用された場合、施策の実行を支援します。進捗管理や効果検証を行い、必要に応じて軌道修正の助言を与えます。

プロジェクトの流れと経営コンサルタントの役割

コンサルティングプロジェクトは通常、以下のようなステップで進行します。
経営コンサルタントは各段階で重要な役割を果たします。

プロジェクト開始後、まず現状把握のための調査・分析を行います。
経営指標や業務フローのデータ収集、社員や関係者へのインタビューなどを通じて問題点を洗い出し、仮説を構築します。

分析結果にもとづき、解決すべき経営課題を明確化します。
そして、課題解決のための複数の施策や戦略オプションを検討し、最適と思われる解決策の組み合わせを立案します。チーム内でブレインストーミングや専門知見の共有を行いながら、実現可能性や効果を評価していきます。

導き出した解決策をクライアントに提案する段階です。経営陣に対してプレゼンテーションを行い、提案内容や期待される効果、実行計画について説明します。質疑応答を通じてクライアントの納得と合意を得られれば、次の実行段階へ進みます。

提案が承認された後、必要に応じて施策の実行を支援します。
経営コンサルタントはプロジェクトマネージャー的な立場で進捗を管理し、クライアントの担当者と協力して計画の実行を推進します。定期的に成果をモニタリングし、問題が発生すれば解決策を助言します。

経営コンサルタントの年収とキャリアパス

経営コンサルタントの平均年収・報酬相場

経営コンサルタントの年収水準は、企業規模や個人の経験・ポジションによって幅がありますが、全体的に高水準であることが特徴です。厚生労働省の調査などによれば平均年収はおよそ700万~800万円程度とも言われており、これは日本の平均年収を大きく上回ります
新卒や未経験でコンサルタント職に就いた場合でも、初年度から500万円前後の給与水準となるケースが多く、20代後半~30代で年収1,000万円に達する人も珍しくありません。マネージャーになれば年収は1,000万円を超え、パートナーともなれば数千万円規模の報酬も期待できます。

また、フリーランスの経営コンサルタントの場合は案件ごとに契約して報酬を得ます。
経験豊富で実績がある人であれば1案件あたり数百万円の契約となることもあり、会社員時代より高収入を得られる可能性があります。ただし、フリーランスは案件が途切れれば収入がなくなるリスクも伴うため、平均的な報酬水準を一概に示すことは難しいと言えます。

経営コンサルタントのキャリアパスと将来性

経営コンサルタントとしてのキャリアパスには、いくつかの方向性があります。自分の志向や得意分野に応じて、以下のような道を歩むことができます。

在籍するコンサルティングファームで経験を積み、役職を上げていくオーソドックスなキャリアです。新卒でアナリストやコンサルタントとして入社し、実績を積むことでマネージャー、パートナーへと昇進していきます。組織の中核として大規模プロジェクトを牽引する立場を目指します。

培った専門性を武器に、より自分に適したフィールドへ移る選択です。例えば、外資系のファームに転職してグローバル案件に挑戦したり、コンサル経験を活かして事業会社の経営企画部門や新規事業担当に転身するケースがあります。

十分な実績と人脈を築いた後、独立してフリーの経営コンサルタントとして活動する道です。自ら案件を獲得し、直接クライアントと契約して仕事を進めることで、自由度の高い働き方や高い報酬を得ることが可能です。ただし、案件を安定して確保するには信頼と営業力が必要で、独立前に培った経験やネットワークがものを言います。

いずれのキャリアを選ぶ場合でも、経営コンサルタントのスキルや知見はビジネス界で高い需要があります。企業の経営環境が複雑化し変化が激しい現代において、専門的な知識で課題解決をリードできるコンサルタントの存在価値はますます高まっています。DXの推進やグローバル展開など新たなニーズも生まれており、今後もコンサルタントの活躍の場は広がるでしょう。一方、常に最新の知識をアップデートし、変化に対応していく姿勢が求められる点も念頭に置く必要があります。

経営コンサルタントに必要なスキル・資格

経営コンサルタントに求められるスキル

経営コンサルタントとして活躍するためには、幅広い知識と能力が求められますが、特に重要とされるスキルは以下のとおりです。

物事を論理的に考え、複雑な課題の本質を見極めて解決策を導き出す力が不可欠です。

経営層や現場から適切に情報を引き出し、自らの提案を明確に伝えてクライアントと信頼関係を築く高い対人スキルが求められます。

提案を的確に伝えるための資料作成能力も重要です。
ポイントを整理し、見やすいスライドや報告書にまとめる力が求められます。

経営戦略や財務、マーケティング、ITなど幅広いビジネス知識があるほど提案の説得力が増します。特定業界の専門知見もあれば強みになるでしょう。

限られた期間で成果を出すため、周囲を巻き込みプロジェクトを前進させるリーダーシップも求められます。

経営コンサルタントに有利な資格・経験

経営コンサルタントになるのに必須の資格はありませんが、取得しておくと知識の証明となりキャリアで有利に働く資格や、役立つ実務経験があります。

経営コンサルタントとして唯一の国家資格です。
経営全般の知識が習得でき、中小企業支援の場で信用を得やすくなります。

MBAで経営理論を体系的に学ぶと、幅広い経営知識と人脈が得られます。コンサルファームへの転職や昇進時に有利な代表的資格です。

財務や会計分野の高度な専門知識を証明する資格で、財務戦略や事業再生のコンサルで強みとなります。

PMPなどプロジェクト管理スキルを証明する資格も有用です。
特にIT導入支援などで強みになります。

特定業界での豊富な実務経験や管理職経験があると、コンサル未経験でもその業界専門のコンサルタントとして評価される場合があります。現場を知る強みは実践的な提案につながります。

経営コンサルタントは独立できる?フリーランス・副業の可能性

経営コンサルタントとして独立し、フリーランスや副業で働くことは可能なのでしょうか。
ここではフリーランス経営コンサルタントとして働く方法と、経営コンサルタントを副業にする際のポイントについて解説します。

フリーランス経営コンサルタントとして働くには

経営コンサルタントは、十分な経験と実績があればフリーランスとして独立することが可能です。実際にコンサルティングファームでスキルを磨いた人が独立し、複数企業と契約して活躍するケースも多くあります。そうした中で成功するには、自身の専門分野や強みを明確にして信頼を得ることが重要です。資格は特に必要ありませんが、経営に関する高度な知識と豊富な経験が求められます。独立後は競合も多いため、自分ならではの価値を磨いて差別化する努力も欠かせません。

独立直後にどのように案件を獲得するかを綿密に計画しておく必要があります。初期の案件は人脈経由で得る場合が多く、フリーランス案件の約6割が過去のつながり経由とのデータもあります​。そのため、在職中からネットワークを広げておきましょう。最近ではフリーランスのコンサルタント向け案件紹介プラットフォームや専門エージェントから案件を紹介してもらう方法も一般的です。

独立に備えて生活費を十分に用意しておくなど、資金面の準備も忘れずにしましょう。
準備不足だと収入を優先するあまり無理な案件を抱え込んでしまうリスクがあります。準備と実力さえあれば、フリーランスコンサルタントとして活躍することは可能です。フリーコンサルタントに対する企業の需要も高まっており、高報酬の案件も増えています。独立すれば自身で案件を選び働き方を決定できるため、スキル次第では会社員時代以上の収入ややりがいを得られるでしょう。

経営コンサルタントを副業にすることは可能か?

経営コンサルタントが本業の傍ら副業でコンサルティングを行うことも可能です。
厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」にも、その旨が明記されています​。
ただし、副業を始める前に自社の就業規則で副業が許可されているか、競業禁止や守秘義務の制約がないかを必ず確認しましょう。
特にコンサルティングファーム勤務の場合、社内規定で副業を禁止しているケースもあるため注意が必要です。

副業コンサルを成功させるには、本業の合間の限られた時間を有効活用する工夫が欠かせません。平日夜間や土日を使い、短時間で完結するスポットコンサルティング期間限定のプロジェクトなど無理なく遂行できる案件から始めるのが現実的です。最近では週末限定のコンサル案件も増えています。案件は人脈の紹介やマッチングサイトで探し、自分の稼働可能な時間やスキルに合ったものを選びましょう。

副業でコンサルを行うメリットは、収入を得られるだけではありません。
本業では経験できない業界の課題に関わることで視野の拡大やスキルアップにも役立ちます。
また、会社の看板に頼らず自分の力で価値を提供できるか試す絶好の機会にもなります。副業で築いた実績や人脈は将来独立する際の大きな武器にもなるでしょう。
副業を行う際は、本業に支障が出ないようスケジュールと体調を管理し、無理なく行うことが大前提です。自分の市場価値を試したり将来的な独立に向けた準備をしたりする上でも有効です。少しずつ経験と実績を積んでいけば、将来的に本業として独立する際の大きな助けとなるでしょう。

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まとめ

ここまで、経営コンサルタントという職業について、その定義から幅広く解説してきました。
企業の課題解決をリードする経営コンサルタントは、困難な挑戦も多い反面、大きなやりがいと成長機会に満ちたプロフェッショナルです。高い専門性ゆえの大変さもありますが、その分クライアントに与えるインパクトや得られる達成感、報酬は非常に大きなものがあります。あなたの知見を社会に役立て、多くの企業を成功へ導く経営コンサルタントとしての道は、きっと大きな自己成長と充実感をもたらしてくれるでしょう。

フリーランスの経営コンサルタントとしてさらなる活躍を目指す方は、コンサルタント向けマッチングプラットフォーム「才コネクト」に登録してプロジェクトの機会を広げてみるのも一案です。

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